【walk on コラム vol.43】〜心筋梗塞・脳梗塞を“運動”で防ぐ〜
【突然死を防ぐ!】心筋梗塞・脳梗塞の予防に「運動」が効く理由
こんにちは。宇都宮でフレイル・生活習慣病・認知症予防に取り組む運動施設・健康管理教室「walk on」代表、健康運動指導士の平野太一です。
今回のテーマは、誰にとっても他人事ではない「心筋梗塞」「脳梗塞」について。
「ある日突然やってくる」と言われるこれらの病気ですが、実は日々の生活習慣で予防できる可能性が高いことをご存じでしょうか?
中でも、注目すべきは運動習慣。最新の研究結果を交えながら、運動の持つ予防効果について詳しく解説していきます。
◆ 心筋梗塞・脳梗塞の共通リスクとは?
心筋梗塞や脳梗塞の主な原因は、動脈硬化です。
以下のような生活習慣病や習慣がリスクを高めます:
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高血圧
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糖尿病
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脂質異常症
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肥満
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喫煙
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運動不足
つまり、これらの危険因子を減らす生活習慣を身につけることで、発症リスクを大幅に軽減できるのです。
◆ 科学的に証明された「運動の予防効果」
✅ 1. 動脈硬化の進行を抑える
定期的な有酸素運動(ウォーキングやジョギング)は、
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LDLコレステロール(悪玉)を減らし
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HDLコレステロール(善玉)を増やす
ことがわかっています。
→ 米国心臓協会(AHA)や欧州心臓病学会(ESC)は、有酸素運動が心血管疾患予防に有効と公式に明記(AHA 2019, ESC 2021)
✅ 2. 血圧を下げる
週150分程度の中強度運動(例:速歩)は、
収縮期血圧を5〜8 mmHg下げることが確認されています。
→ Cornelissen & Smart, Hypertension, 2013
✅ 3. 糖尿病の予防・改善に効果
筋力トレーニングと有酸素運動の併用は、インスリン感受性を高め、2型糖尿病の予防に役立ちます。
→ 日本糖尿病学会も「1日30分・週5日以上の運動」を推奨
✅ 4. 脳梗塞予防につながる脳血流の改善
運動は脳の血流量を高め、血管の柔軟性を保つことで、脳梗塞リスクを減らす効果があると報告されています。
→ Ainslie et al., Journal of Physiology, 2008
◆ どんな運動が効果的?
目的に応じて、次のような運動を組み合わせると理想的です。
| 種類 | 内容 | 効果 |
|---|---|---|
| 有酸素運動 | ウォーキング・軽いジョギング・自転車など | 心肺機能向上・脂質代謝の改善 |
| 筋力トレーニング | 自重スクワット・マシントレーニング | 血糖コントロール・代謝アップ |
| バランス運動・柔軟運動 | ヨガ・ストレッチ | 血流改善・転倒予防(特に高齢者) |
◆ 「座りっぱなし」は危険!立つだけでも効果あり
近年の研究では、長時間座りっぱなしの生活が心筋梗塞・脳梗塞のリスクを高めることがわかっています。
→ Dempsey et al., Circulation, 2020
💡 1時間に1回立ち上がって少し体を動かすだけでも、血流が改善し、リスク低下に貢献すると言われています。
◆ 【まとめ】運動は“最強の予防薬”
心筋梗塞も脳梗塞も、「突然やってくる恐怖の病気」として怖がるだけでなく、
**「予防できる生活習慣病」**として向き合いましょう。
毎日の運動は、**副作用のない“最強の薬”**です。
まずは、1日15分のウォーキングからでも構いません。
今日から、あなた自身の健康を守る一歩を踏み出してみてください。
📚 参考文献
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American Heart Association (AHA). “Physical Activity Guidelines for Americans”, 2019
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Cornelissen VA, Smart NA. Hypertension. 2013
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Ainslie PN et al. J Physiol. 2008
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Dempsey PC et al. Circulation. 2020
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日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド 2023」
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日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン」
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